このサイトの説明文書は、本臨床研究に参加協力を検討される方に対して、研究責任者または研究分担者から研究の内容を説明するに当たり、ご理解を深めていただくために用意した補助資料です。
研究内容について説明を受け、本文書の内容についてご理解をいただいた上で、研究に参加されるかどうかを決めてください。研究に参加していただくことは、あなたの自由意思で決めていただくようにお願い申し上げます。その結果、研究に参加しないということになりましても、それによってあなたが不利益を受けることは一切ないことを保証いたします。また、この研究の成果が特許権などの知的財産権を将来的に生み出す可能性もありますが、その権利の帰属先は研究参加者であるあなたではないことをご理解ください。
研究の内容についてわからないこと、心配なことなど、お尋ねになりたいことなどがありましたら、遠慮なくご質問ください。
はじめに
研究の概要
研究課題名:「COVID-19感染後の精神症状を有する患者レジストリの構築と病態解明及び新規治療法の開発に資する研究」。この研究は、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の倫理委員会及び理事長の承認を受けて実施しています。
本研究の目的は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の生体情報や精神症状の評価項目など、生物・心理・社会的情報を含む医療データを縦断的に収集するレジストリを構築すること、加えて、新型コロナウイルス感染症後の精神症状の発症メカニズム解明ならびに新規治療法の開発を行うことであります。患者レジストリとは、患者さんの疾患、治療内容、治療経過などを管理するデータベースになります。これを作ることで、症状が出る人の経過を追うことができたり、症状がでない人と比較検討をしたりすることで病態の理解を深められる可能性につながります。
研究代表者
国立精神・神経医療研究センター
久我 弘典
研究参加について
この研究では、以下の条件をすべて満たす方に参加をお願いしています。
●主な選択基準
1)本研究に共同研究機関として参加が承認された医療機関を COVID-19 感染により受療した16歳以上の方(診断、性別は問いません)
2)COVID-19 感染後に精神症状を有する方
3)本レジストリへの登録に同意が得られた方
また、以下の基準に当てはまる場合は、この研究プログラムに参加いただくことができません。
●主な除外基準
1)検査を実施する上で障害となる等、主治医が不適切と判断した方。
これらの他にも、担当医師が、あなたに参加いただくことができるかどうかを診察や検査の結果から判断します。場合によっては同意いただいた後でも研究に参加いただけないことがあります。また、研究への参加をいただいている途中でも、あなたにとってこの研究に参加することが難しいと担当医師が判断した場合、研究参加を中止させていただくこともありますので、あらかじめご了承ください。
登録する情報
ePRO上で取得した臨床情報、外来受診時における診察内容、血漿・遺伝子・脳画像などの情報を解析した情報が登録されます。
研究期間、スケジュール
本研究の研究期間としては、研究実施許可受領後から2026年3月31日としています。その中でも、本研究に協力をいただける方は2025年3月31日を登録締切日としています。過去にCOVID-19感染症と診断されたことがある方の場合は、計3回(初回受診、初回から3ヵ月後、初回から9ヵ月後)の受診・参加をお願いしています。現在COVID-19感染症で入院されている方はその3回の外来受診に加えて入院中の診察と検査が加わります。本研究のプログラムを安全かつ適切に実施できるよう、これまでの経過や現在の困っていることについて30分程度の評価面接と症状チェックアンケート調査を行い、本研究の参加条件に該当しているかを確認します。参加条件に該当することが確認された後、研究実施期間中のあなたの健康状態を確認するため、オンラインのストレスセルフチェック(ePRO)を毎月実施していただきます。こちらは初回から9ヵ月後までの期間の入力をお願いしています。また、ご協力いただける方には、血液検査を始め、定められた検査を受けていただきます。
実施する検査について
症状を確認するために複数の心理検査を実施しますが、これらはスマートフォンやパソコンからアクセスができるオンラインストレスセルフチェック(ePRO)を用いて確認します。ホームページで参加同意後、インターネット上で年齢や性別などの基本情報を入力し、うつ、不安、睡眠等に関する質問票に答える仕組みとなっています。これらは1か月毎に実施することで症状の経過を確認していきます。
本研究では、計3回の外来受診をお願いしています。この3回の受診において診察と血液検査を行います。血液検査に関して、これは通常の健康診断で採取する量と同じ程度です(分担研究開発課題名:臨床表現型情報と試料の収集及び末梢血中炎症関連物質解析(名古屋大学、研究責任者 尾崎紀夫))。また、この採取には遺伝子の情報も含まれるので、その解析も行います(分担研究開発課題名:新型コロナウイルス感染症後に持続する精神症状の関連遺伝子の同定(研究責任者 齋藤竹生))。現在COVID-19感染症で入院されている方は、これらの外来受診に加えて入院中に1回、診察と採血を行います。
脳画像を測定するMRI装置では、強力な磁石の力とラジオで用いられるものと同様の電波を利用して、生体を傷つけることなく人間の脳を画像化し、その構造や機能を測定することができます。用いられる磁場や電波の強さは世界的な基準に基づき、人体組織に対して悪影響のない範囲の磁場と電波を使用します。画像検査にご協力いただける方は上記の診察や採血とは別の日時の予約を必要とする場合がございますので、相談窓口でご相談ください。また、条件によっては頭部MRI検査が実施できない場合もございます。あらかじめご了承くだいますよう、お願いいたします。
利用できる遺伝カウンセリングに関する情報
本研究では現時点で判明している遺伝子疾患の遺伝子解析を行うものではありません。他方で、遺伝や遺伝子のことでカウンセリング(遺伝カウンセリング)をご希望の場合はお申し出ください。遺伝カウンセリング料については基本的に自己負担となります。
セキュリティーポリシー
1. 基本的考え方
国立精神・神経医療研究センター(以下「当所」という)では、PSCORE-J (https://pscore-j.ncnp.go.jp 以下「当システム」という)において提供するサービス(プラットホームによる情報提供、当所及び当システムに関するお問い合わせ等)の円滑な運営に必要な範囲で、当システムを利用される皆様の情報を収集しています。収集した情報は、利用目的の範囲内で適切に取り扱います。
2. 収集する情報の範囲
医療機関名、施設所在地、担当者名、メールアドレス、電話番号等の情報を収集します。
3. 利用目的
2.において収集した情報は、当システムが提供するサービスを円滑に運営するための参考として利用します。
4. 利用及び提供の制限
当所では、当システムで収集した情報について、法令に基づく開示請求があった場合、本人の同意が得られた場合、その他特別な理由のある場合を除き、3の利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は第三者に提供いたしません。ただし、統計的に処理を施した当システムのアクセス情報、利用者属性等の情報については 公表することがあります。
5. 安全確保の措置
当所は、収集した情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他収集した情報の適切な管理のために必要な措置を講じます。
6. 自己に関する情報の開示
当システムにおいては、お電話・メールなどでお問い合わせいただいた内容を除き、氏名、生年月日その他一般的に 特定の個人を識別することができる情報を収集しておりません。
7. 適用範囲
本プライバシーポリシーは、当システム(https://pscore-j.ncnp.go.jp)および当システムにリンクされている関連サイトにおいてのみ適用されます。
沿革と進捗状況
- 2022年9月30日 研究ホームページ設立
- 2022年11月1日 研究開始